
「ニッポンの国宝100 18号」
これぞ琳派の極み!
光琳最高傑作『紅白梅図屏風』と驚異のデザイン感覚『舟橋蒔絵硯箱』です。 尾形光琳作『紅白梅図屏風』
40歳を過ぎて本格的に画業をスタートさせたという光琳。
右隻に紅梅、左隻に白梅が描かれ、その間に流れる流水。
梅の形、流れる水の形はグラフィカルに意匠化されその「光琳模様」という形は今も私たちの日常の様々なものに使われていますね!
光琳の実家は呉服屋で着物の図案帳が沢山あったこと、姻戚関係に本阿弥光悦がいて蒔絵などにも親しんだこと、それらをMIXさせて出来上がったのがこの屏風なのです。 よく見ると木の枝の表現がすばらしく、「たらし込み」という滲みの技法で苔を描き、流水の黒い部分は銀箔を硫黄で黒変させているなど、様々な工夫が凝らされています。
「国宝 世界 vs 日本」では、クリムトと名作対決!名勝負
テキスタイル・工芸・装飾模様・ゴールド!どちらもすごい。 「国宝 解体新書」では、光琳の炸裂する才能。
印籠、火入れ、硯箱、手描きの着物などプロダクト、アパレル、なんでもプロデュースできるアーティスト光琳の

「ニッポンの国宝100 17号」
ともに桃山時代の“絢爛”と“詫び”の境地!
『智積院 楓図・桜図』と『妙喜庵 待庵』です。 『智積院 楓図・桜図』
秀吉が幼くして亡くした息子・鶴松を弔うために建てた祥雲寺の障壁画。
桃山画壇に食い込む野心を抱き、長谷川等伯が息子・久蔵と描いた金箔の障壁画が『楓図』『桜図』です。 しかし、将来を期待された久蔵はこの桜図を完成させた直後25歳の若さで亡くなり、この親子共演の本作が遺作となります。
つまり秀吉の息子を弔い絵師として成功する野望ための仕事が、自分の息子を亡くす結果となったわけですね。。
しかも、この大役を射止めるにあたっては当時君臨していた狩野永徳が急死し、狩野派→長谷川派にこの仕事が変更されたというのです。
等伯の貪欲さ、そしてなんたる因縁…。
初の大仕事にかける等伯親子の気迫、生命力を思いながら鑑賞してみたいと思います。
この『桜図』を暗闇の中、行灯だけで見ると花びらが白く浮き上がり夜桜に見えるとか! 「国宝 解体新書」では、親子絵師をご紹介。
北斎も上村松園も河鍋暁斎も親子で絵師でした。受け継がれた血の濃

「ニッポンの国宝100 16号」
発売中の「ニッポンの国宝100 16号」
どちらも名宝!力強い慈悲の姿『聖林寺 十一面観音』と
天才刀工の傑作『名物 包丁正宗』です。 『聖林寺 十一面観音』 頭上に11個の顔があり変身する観音さま。
天平時代のエリート仏師たちが造った美しい仏像は、肉感的で厚みのある胸、広い肩幅にくびれたウエストと理想的なボディ。
厳しい表情にしなやかで意外性があるほど動きのある指先。
頭に乗せた11個の顔は、悟りに至る修行の段階を表しているとのこと。
ひとつひとつの顔は表情が異なり、あらゆる人々を救うためにあらゆる方角に顔が向いています。 古密教とよばれる空海以前のこの頃の密教では、強い霊力を期待して超人的な能力を表現した造形が好まれたそうで、人間を超えた存在が具現化されているのでしょう。
「国宝 原寸美術館」では、11顔面の表情の違いを原寸でご覧ください。
「国宝をめぐるミステリー」では、廃仏毀釈から十一面観音を僧侶がお守りした話。
『名物 包丁正宗』 そして刀剣ファンの方、お待たせいたしました。
今週号は、特別に

「週刊ニッポンの国宝100」 15号
鏡開きの1月11日になってしまいましたが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。
年末年始で、告知のリズムが乱れましたが国宝100は15号・16号が発売中です。
まずは去年末発売された15号
「週刊ニッポンの国宝100」 15号
海上に立つ華麗な世界遺産「嚴島神社」とすさまじい戒め!「地獄草紙」です。 『嚴島神社』
干潮時には砂浜に立ち、満潮時には海上に立つ嚴島神社。
インスタ映えはもちろん人々に神の力を知らしめるようなスピリチュアルな演出!
しかし、海上に神社があるのは実は宮島全体が聖域として扱われ、島に直接社殿を建てることができなったからだとか。 宮島の神様に敬意を払い、そこに見事な演出を加えて唯一無二の神社になったというのは素敵なお話ですね。 「国宝 名作ギャラリー」では神社としては珍しい寝殿造り(貴族のおうち)のうつくしい社殿をご覧ください。 「国宝 世界vs日本」では、海上の修道院・モンサンミッシェルと対決。
「国宝 解体新書」では、とても役にたつ神社建築スタイルを解説。次から建物をよーく見てみようと思いました。 「地獄